帰ろう
ついさっき2021年になったばかりだと思っていたらもう3月になっていた。さむいさむい冬は終わってもうすぐ春がくる。
春はなんかなんでもできそうな気がしてくるから嫌い。春の温かさは始まりへの期待を連れてくる。21年間生きてきて期待はしない方がうまくいくと学んだ。
去年の春に考えていたことは何だったっけ。なんとなく覚えているようで忘れている。忘れることはいいことだ。最近聞いている藤井風の曲に「すべて忘れて帰ろう」って歌詞がでてくる。すべて忘れて、忘れたフリをしてわたしはわたしへ帰る。
またすぐに夏がきて気がついたら季節がひと回りしているんだろうな。1日1日を大切になんてできないけど、生活を愛している。たぶん。
パーティーは終わった
先日、祖父母のお店が閉店した。
甘味処なのにラーメンとカレーが人気で、61年間小さな商店街の中に佇んでいた。
2日間かけて行った閉店セールは行列ができて涙を流しながら惜しんでくれた人もいた。いつも寡黙な常連さんが祖父母に何かあったらいつでも駆けつけますからねと言ってメールアドレスを渡してくれたらしい。ほんとに優しい人っているんだなって思った。
閉店セールの2日間は想像以上に大繁盛で忙しく祖父母は厨房で常に喧嘩してた。涙ながらに挨拶していくお客さんとのギャップに笑えた。哀愁とか全然なかった。わたしはこの2人のそういうところが好きだ。
祖母は次のビル掃除の仕事を早々に決めた。生活は続いていく。
物事には終わりがある。始まれば終わるし生まれれば死ぬ。それは当たり前のこと。でも、物事は終わりがあるから美しいわけではない。そんな儚いものばかりに目を向けていたらわけわかんなくなっちゃう。
パーティーは終わっても後片付けをしながら鼻歌を歌っていたい。